別名　金鯱城
遺構　3櫓・1門(重文)庭園、石垣、堀
城の種別　梯郭式平城
所在地　愛知県名古屋市中区
名古屋市ホームページ

　16世紀の前半に今川氏親が、尾張進出のために築いたとされる柳ノ丸が名古屋城の起源とされ、1532年（天文元年）、織田信秀(織田信長の父)が今川氏豊から奪取し那古野城と改名された。 後信秀の嫡男、織田信長がこの城で生まれ信秀が古渡城に移ると信長の居城となる。1555年（弘治元年）、信長が清須城に本拠を移すと廃城になる。
　関が原の戦いの後、清洲の水害に弱い地形の問題、政治情勢等から清洲城を廃し徳川家康は九男、徳川義直を尾張藩主とし名古屋城を築城した。この時、清洲から家臣、町人はもとより、 社寺3社110か寺、清洲城小天守までも移転させたとされる。
　その後明治維新までこの地は、徳川御三家筆頭尾張徳川家、61万9500石の城下町として栄えた。 維新後時の藩主、徳川慶勝は名古屋城の破却と金鯱を献上したが維新政府により、城郭の保存が決定された。天守をはじめ本丸御殿や多くの遺構は、旧国宝に指定され管理保存されていたが1945年（昭和20年） 5月14日の名古屋空襲により、本丸御殿、大天守、小天守、東北隅櫓、正門、金鯱などが焼夷弾の直撃を受けて大火災を起こし焼失した。戦後、城址は名城公園になり天守は、地元商店街の尽力や全国からの寄付により1959年（昭和34年）に再建されて、 復元された金鯱とともに名古屋市のシンボルとなった。現在写真のように本丸御殿を復元しており2022年には、完成予定である。

　金の鯱で有名で「尾張名古屋は、城でもつ」と謳われた名古屋城である。天守は再建でエレベーターもあり非常にがっかりさせられるが内部の資料館に空襲前の名古屋城の写真が数多く展示されていて 名古屋の市民はこの城を誇りに思ってきたことが容易にうかがえる。
　名古屋城は、数少ない天下普請(江戸幕府が全国の諸大名に強制的に命令を出し行わせる土木事業)の城として有名である。この城は、豊臣恩顧の外様大名が造った城であり、 かなり大規模で防備に硬い城である。
　すなわち外様の財力を消費させると同時に交通の要所名古屋に壮大な城を築く事で(西国大名自ら築城しているのだからどれだけ防備に硬いか当然理解しており)自ずと戦意を失くさせる。 当時、まだまだ戦乱が起こってもおかしくない、幕府体制が確立できていない時代であり、これは、徳川家康の強大な武力の下でしか実行できない今後の江戸幕府の安泰を図る上で無くてはならなく、 この事からも名古屋城築城事業は、数多くの重要な役割を担っていたのである。それだけに本当に空襲で焼ける前の城を自分の目で見てみたかった。

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