池波正太郎
池波正太郎は、戦後を代表する時代小説・歴史小説作家である。
代表作は、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』『真田太平記』など。
三大シリーズが圧倒的有名だが池波は、忍者物もよく書いていて管理人は、そちらの印象も強い。東京浅草生まれの生粋の江戸っ子で食通としても良く知られる。
1923年(大正12年)1月25日 - 1990年(平成2年)5月3日)没。
本の紹介

真田昌幸 ・信之・信繁(幸村)を中心に真田一族の波乱の日々をほぼ完璧に書いた時代小説である。
池波正太郎の小説は、どれもとても面白いが真田太平記は別格である。これを読むだけで真田一族だけでなく、忍者の実態、戦国の世の時代背景、数多の武将の数々がわかり、この時代に興味をもつ足がかりにきっとなるであろう小説である。
加藤清正暗殺の命を受けた家康配下の忍者と加藤清正の心意気に打たれ清正の為に働く甲賀忍びの戦いを描く。
清正の後半生を描いており、主人公は清正ではないのだが清正を軸に展開し、とてもおもしろい小説である。池波小説は、独立した小説といえど同じ人物が活躍する。特に忍者は一貫しており、例えば主人公である丹波大介を始めとする忍びの生き様を見られる。やはり池波小説は、おもしろい。
火の国の城 上 新装版 (文春文庫 い 4-78)
火の国の城 下 新装版 (文春文庫 い 4-79)
福島正則を篭絡するために送り込まれた忍びが正則の正直さに惹かれ、しかし任務を全うしようとする姿を描きながこの時代を描いた小説である。
池波の忍者物は、おもしろくすぐ次のを読んでみたくなる内容である。
新装版 忍びの女(上) (講談社文庫)
新装版 忍びの女(下) (講談社文庫)
幕末遊撃隊 (集英社文庫)
幕末の剣客・伊庭八郎の生涯を描いた小説である。
心形刀流・伊庭道場の後つぎである彼は、将軍上洛のため京に上った事がきっかけに幕府の為に戦うことを思い極め、江戸にて遊撃隊を組織し官軍に立ち向かう。
天性の剣の才を持った彼は、剣を頼りに自分の信念を信じて戦い抜いた。江戸っ子で気持ちの良い男であったであろう潔い生涯である。